講演レポート:認知症・高血圧・フレイルを防ぐ生活のヒント
こんにちは、ワキ薬局の薬剤師・大森です。
9月22日に和木町のオレンジカフェにて「認知症」「血圧管理」「フレイル予防」をテーマに講演を行いました。
今回は、その内容をこちらのブログでもシェアしたいと思います。
1. 認知症の薬は「進行をゆるやかにする」もの
よく「認知症の薬で治せますか?」と聞かれますが、現状の薬は 進行を遅らせる ことが目的です。
- 飲み薬・貼り薬・注射薬があり
- 副作用(吐き気・胃の不調・ふらつき)に注意
- 服薬管理が難しい場合は、薬剤師に相談してお薬カレンダーなどを活用
最近は週2回貼るタイプの薬「リバルエンパッチ」も登場しており、患者様の生活状況に応じて多種多様なタイプの薬をかかりつけ医と相談しましょう。

2. 高血圧は家庭でしっかり管理
日本高血圧学会のガイドライン(2025年改定)では、家庭血圧の目標は125/75未満 に統一されました。
血圧管理のポイントは
- 朝起きて、トイレの後、薬を飲む前に測る
- カフは心臓の高さに合わせる
- 病院のみでの測定ではなく、家庭での測定が大切
生活習慣も重要です。
- 減塩:ラーメンのスープを飲み干さない、調味料のかけすぎを避ける
- 運動:犬の散歩、ウォーキング、ゴルフなど日常に組み込む
- 体重管理・節酒:肥満や過剰アルコールは血圧と心臓に負担
実際に血圧測定の方法をレクチャーしたところ、「カフは心臓の高さに合わせる
」のは知らなかった、とのお声を複数いただきました。
改めて血圧管理、血圧測定の方法についてしっかり啓蒙・啓発する必要があると感じました。

3. フレイル予防のポイントは「社会参加」
講演で特に強調したのが、フレイル予防=社会参加がカギ ということです。
フレイルとは、健康と要介護の中間の状態で、特徴は次の3つです:
- 筋力の低下
- 日常活動量の低下
- 社会参加の低下
栄養や運動は自分でも対策できますが、社会参加は一人ではできません。
そこでおすすめなのは、近所で楽しめる趣味や活動を見つけることだと思います。
例えば
- ゲームや健康麻雀などで友達と交流
- 季節イベントのウォーキングや山登りなど
- 地域行事に参加
麻雀は少し難しいので、簡単にみんなで楽しめるゲームの1例としてドイツ発祥のボードゲーム「おばけキャッチ」をご紹介し、実際に遊んでもらいました。
ボードゲームは、はじめましての人同士でも簡単に一緒にゲームができるのが魅力です。
こうした近所の人と一緒に「楽しむ時間」が、認知機能の維持やフレイル予防にもつながるのではないかと考えます。

